経費削減のアイデアとは — 使っているサブスクも「解約する前提」で見直す
経費削減のアイデアとは、払い続けている費用を「やめる前提」で見直し、やめ方か代わりの案まで考えて減らす工夫のことです。
- 小さな会社で気づかないうちに増えるのは、紙や電気よりも毎月のサブスクと固定費。見直しの基準と間隔を決めないと減らない
- 「使っているから残す」「ほぼ無料だから残す」は、どちらも残す理由にならない。外してよいのは、解約しようがない物だけ
- 運営会社が決めた見直しの決まり(間隔・解約の予定の置き場・見直しの紙の形)を表と手順で示す
小さな会社の経費は、サブスクと固定費から静かに増える
経費削減のアイデアを探すと、紙の使い方、電気代、通信費の見直しといった案がたくさん並びます。どれも大事ですが、社長がひとりか少人数で回している会社で気づかないうちに増えていくのは、毎月引き落とされるサブスク(月ごとや年ごとに払う契約)と、外部のサービスの固定費です。
この頁でいう固定費削減は、こうしたサブスクや、ネット越しに使う業務の道具(SaaS)の契約を、決まった基準で管理し直すことです。サブスクは、一度申し込むと何もしなくても払い続ける形になっています。試しに入れた道具、ある時期だけ要った追加の枠、もう誰も開いていない管理画面。解約し忘れが怖いのに、どれを見直せばよいかの基準が無いので、結局そのままになります。
この頁では、大和ViSiON を運営する株式会社命が、自社のサブスクの見直しで実際に決めた基準と手順を紹介します。ひとり社長の会社の形そのものについてはひとり社長とはにまとめています。
「使っているから解約しない」をやめる
株式会社命では、サブスクの請求を見て無駄な支払いを止める仕組みを作るとき、運営を任された AI の担当が最初に出した案は「使っているかどうかで残すか決める」というものでした。社長はこれを直しました。
社長の答えは、「使っているから解約しない」はおかしい、というものです。全部のサブスクを解約する前提で見て、こうすれば解約できるという解約の段取りか、経費を減らす代わりの案を出して提案する。解約しようがない物(ネットの回線など)だけ、理由を書いて見直しから外す、と決めました(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。
「使っているか」で判定すると、使ってさえいれば全部残ります。使っている物にも、他の道具で足りる物、やり方を変えれば要らなくなる物が混ざっています。問いを「残す理由はあるか」から「やめるならどうやめるか」に変えると、見える案が変わります。
| 見る所 | よくある見直し | 解約する前提の見直し(株式会社命の決まり) |
|---|---|---|
| 見直しの対象 | 使っていない物だけ | 全部のサブスク。使っている物も含める |
| 外してよい物 | 少しでも使っている物 | 解約しようがない物(ネットの回線など)だけ。外す理由を書く |
| 料金がほぼかからない物 | 安いので残す | 使っていなければ畳む。残すと管理の複雑さを買うだけ |
| 出す物 | 「これは要らないかも」という気づき | 解約の段取りか、代わりの案。代わりの案には自社で道具を作る案も並べる |
| 見直しの間隔 | 年に一度、決算の前など | 15 日に 1 回 |
| 解約の予定 | 社長の頭の中 | 契約の一覧の表の行に書き、30 日前から見直しの紙の頭に出す |
出典: 株式会社命の判断の記録(社の実測 2026-10-20・2026-09-20)。「よくある見直し」の列は大和ViSiON 編集部がまとめたもの
見直しは月に 1 回ではなく、15 日に 1 回
見直しの間隔は、最初は月に 1 回の案でした。社長はこれを 15 日に 1 回に直しています。月に 1 回だと、月の途中に始まって月ごとに払うサブスクを逃すからです(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。
見直しの仕組みは、毎月 1 日と 16 日の朝に動くように予約を入れました(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。社長が思い出したときに見るのではなく、決まった日に必ず見直しの紙が出てくる形です。
「ほぼ無料だから残す」も理由にならない
使っていない外部の動画配信のサービスを、解約するか残すかを決めたことがあります。使われた量はほぼ無く、料金もほぼかかっていませんでした。運営を任された AI の担当と技術の担当は、テスト用に置いた動画を比べる材料として残す案を推していました(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-09-20)。
社長の答えは「解約でお願いします」でした。本番のどの動画もそのサービスを使っておらず、動画の退避も済んでいました。比べる材料のためだけにサービスを一つ生かし続けるのは、管理の複雑さを買っているだけだ、という判断です。料金がほぼかからないことは、残す理由にならないと記録に残しています(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-09-20)。
解約の順番も決めました。先に残ったテスト用の動画を消し、サービスの中が空になったことを画面の数字で確かめてから、社長が解約の手続きをする。空になるまでは解約の画面に進まない、という順です(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-09-20)。解約の判断と手続きは社長の手で行い、AI の担当は消す作業と確かめる作業までを受け持ちました。
要らないサービスと残ったデータを消すのは、優先の最上位
その翌日、社長は要らないサービスと残ったデータの扱いについて、もう一歩踏み込んだ判断を出しています。要らないサービスが残っている、データが残っている、というのは一番なくさないといけない事で、その片付けの優先は最上位に置く、というものです(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-09-21)。
経費削減というとお金の話に聞こえますが、要らない契約を畳むことは、管理する物を減らすことでもあります。会社の中を整えておく事をどの順で大事にするかは、コアバリューとはで、運営会社の「迷った時に決める順」として紹介しています。
代わりの案を並べる — 移す・設定を変える・自社で作る
解約する前提で見ても、すぐにやめられない物はあります。そのときに出すのが代わりの案です。運営会社で実際に出た代わりの案は、次の三つの形でした。
別の場所へ移してから解約する
社内のやり取りに使っていたチャットの道具は、やり取りのほとんどが社内向けで、必須ではないと見直しで分かりました。社長は、すでに使っている別のチャットの場所へやり取りを移して解約する方向を選びました(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。
すぐには解約しないので、解約の予定を忘れない置き場も決めました。予定は契約の一覧の表のその道具の行に書き、最後に決める日も書いておく。見直しの仕組みが、その日の 30 日前から見直しの紙の頭に出す、という形です(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。解約し忘れを防ぐのは、社長の記憶ではなく、決まった場所に書いた予定です。
設定を変えて、追加の枠を要らなくする
会議の道具には、追加で払っている枠が二つありました。どちらも社長が解約を申し込み、AI の担当の手は、会議の録画を自動で消すまでの日数を 30 日から 7 日に縮めることだけでした(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。録画が早く消えるので、保存の追加の枠が要らなくなります。解約しなくても、設定を一つ変えるだけで減らせる費用もあります。
自社で道具を作る案も並べる
代わりの案には、自社で小さな道具を作る案も必ず並べる、と社長は決めています。並べるときは、作るなら何を決めればよいか(要件の芯)と、手間と毎月の費用の差を添えます(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。外の道具を別の外の道具に替えるだけが代わりの案ではない、ということです。
見直しの紙は、5 行の要約と決める事 1 行
15 日ごとに出てくる見直しの紙は、頭に 5 行の要約と、社長が決める事を 1 行だけ置く形にしました。AI の担当が先に請求や使い方の裏を取り、確かめた上で要約だけを社長に出します(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。
見直しが続かない理由の多くは、毎回の見直しが重いことです。社長が読むのは要約と決める事だけにしておけば、決める事が無い回はすぐ終わり、決める事がある回は一行に答えるだけで済みます。
ひとり社長が経費削減を始める手順
運営会社の決まりを、ひとり社長の会社でも使える手順にすると次のとおりです。
- 払っている物を全部並べる。カードと口座の引き落としから、毎月・毎年払っている契約を一覧の表にする
- 全部を解約する前提で見る。使っている物も含め、やめるならどうやめるかを一つずつ書く。外すのは解約しようがない物だけで、外す理由を書く(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)
- 安いことを残す理由にしない。使っていない物は、料金がほぼかからなくても畳む(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-09-20)
- すぐにやめられない物には代わりの案を出す。別の場所へ移す、設定を変える、自社で作る、を並べて比べる
- 解約の予定は一覧の表に書く。最後に決める日も書き、その 30 日前に目に入る所へ出す(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)
- 見直しの日を予約する。15 日に 1 回、決まった日に見直しの紙が出てくるようにする(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)
最初の見直しを自分でやり、決まりが固まったら、並べる作業と裏を取る作業を人や AI に渡します。社長に残すのは、解約するかどうかを決める事だけです。
よくある質問
経費削減のアイデアには、どんなものがありますか
紙や電気、通信費の見直しに加えて、小さな会社で効くのは毎月のサブスクと外部のサービスの固定費の見直しです。使っている物も含めて解約する前提で見直し、やめ方か代わりの案(別の場所へ移す・設定を変える・自社で作る)まで出すと、減らせる物が見つかります。
使っているサブスクも解約を考えるべきですか
考えるべきです。運営会社では、全部のサブスクを解約する前提で見て、解約しようがない物(ネットの回線など)だけを理由つきで外すと決めています(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。使っていることは、残す理由にはなりません。
サブスクの見直しはどのくらいの間隔でやればよいですか
運営会社では 15 日に 1 回にしています。月に 1 回だと、月の途中に始まるサブスクを逃すからです(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。
サブスクの解約忘れを防ぐにはどうすればよいですか
解約の予定と最後に決める日を、契約の一覧の表のその行に書いておきます。運営会社では、その日の 30 日前から見直しの紙の頭に予定が出るようにしています(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-10-20)。
ほとんど料金がかからないサービスは残してもよいですか
使っていないなら畳みます。運営会社では、料金がほぼかからない外部のサービスを残す案が出ましたが、社長が解約を選びました。残すと管理の複雑さを買うだけだからです(株式会社命の判断の記録・社の実測 2026-09-20)。
出典
- 株式会社命の判断の記録(サブスクは使っている物も含め全部を解約する前提で見て、解約の段取りか代わりの案を出す・解約しようがない物だけ理由を書いて外す・見直しは月に 1 回でなく 15 日に 1 回・社の実測 2026-10-20)
- 株式会社命の判断の記録(代わりの案に自社で道具を作る案を必ず並べ、要件の芯と手間・毎月の費用の差を添える・社の実測 2026-10-20)
- 株式会社命の判断の記録(社内のチャットの道具を別の場所へ移して解約する方向・解約の予定は契約の一覧の表の行に書き、30 日前から見直しの紙の頭に出す・社の実測 2026-10-20)
- 株式会社命の判断の記録(見直しの紙の頭は 5 行の要約と決める事 1 行・AI の担当が裏を取って要約だけを社長に出す・毎月 1 日と 16 日に動く・社の実測 2026-10-20)
- 株式会社命の判断の記録(会議の道具の追加の枠は社長が解約を申し込み、録画の自動削除の日数を 30 日から 7 日に縮めた・社の実測 2026-10-20)
- 株式会社命の判断の記録(料金がほぼかからない使っていない外部のサービスを、残す推奨を社長が覆して解約した・社の実測 2026-09-20)
- 株式会社命の判断の記録(要らないサービスと残ったデータを消すことは優先の最上位・社の実測 2026-09-21)
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